ブログ 岡本浩和の「人間力」発見日記
6.202021
無邪気な子たちよ!(笑)
孔子の弟子のひとりに子思という人がいます。
子思が著わした「中庸」という古典は夙に有名ですが、
中庸とは、普通であるということでもなく、
また、一般的に考えられている、
プラスにもマイナスにも偏らないということでもありません。
実に表現し難いのですが、
中庸とは、何もない真空のことをいうようです。
(プラスとかマイナスとかバランスとか考えている時点で中庸ではないのです)
何もないゆえに自由自在。
そこには執着がなく、思考も感情もありません。
人間は、物心ついたときから、好き嫌いや良し悪しという
概念が始まります。
年齢を重ねるにつれ、いわば善に傾くということも起こり得ます。
確かに正しいのだけれど、それによって苦しくなることがある。
そんな話を聴きながら、幼い頃のことを思い出しました。
断片的ですが、まだ乳児の頃の記憶がいくつか僕にはあります。
例えば、6ヶ月検診のとき、
母がバイクでこけたのを、母に背負われつつ地面の水溜まりを
見ている状況、
あるいは、3ヶ月か4ヶ月か、ようやく目が見えるようになったとき、
祖母と叔母と曾祖母にお湯浴びをさせてもらっていて、
間違ってお湯の中に落とされた状況など
そのヴィジョンを今でも明確に憶えているのです。
興味深いのは、そのシーンを眺める自分には
思考や感情が一切入っていないということです。
良いも悪いも、好きも嫌いもなく、
ただその風景の残像が頭の中にはっきりあります。
それこそ何のとらわれもない、中庸という状態なのだと思いました。
あのときのように、
いまだ自我のない、赤子のような、文字通り無邪気な心で
物事をとらえることができたら、
精神的なストレスも、あるいは他人との争いや諍いも、
すべては無に帰するのだろうと思います。
いかに思考や感情を脱却できるか。
それこそが真に幸せに生きる術であり、
僕たちが本当に学ばなければいけない姿勢なのだとつくづく思います。
日々修養。
今日も良い一日でした。
ありがとうございます。
※無邪気な子たちよ!(笑)
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