ブログ 岡本浩和の「人間力」発見日記

僕が生れる前の、家に起こった話

父から聞いた戦時中の話の続き。
村の働き手は大抵米農家でしたが、2軒ほど商売をする家があったそうで、
僕の祖父はそのうちの一軒、戦前から戦中にかけて醤油の小売商を営んでいました。

戦争末期、いわゆる召集令状が国民の末端にまで届くころ、
我が村でもたくさんの人たちが兵隊にとられる中、
祖父は(どういう事情か父も知らないのですが)戦争にとられることはありませんでした。
ただし、徴用、いわゆる勤労動員のため福岡の炭鉱に行かされることになったのです。

徴用は村長の指名だったようで、
村長は、当時米は貴重品のため米農家を指名せず、商売を営んでいる
2人を指名したということでした。

戦争末期だったので、わずか数ヶ月で無事家に戻って来られたのですが、
祖父は村長に恨みを持っていたらしく、
妻(僕の祖母)の妹(祖父の義妹)が戦後まもなく村長の息子に嫁いだことに腹を立て、
義妹が自宅を訪問するたびに怒って追い返していたそうです。(笑)

しかし、よくよく考えてみると、周囲の大人が最終的にほとんど兵隊にとられ、
前線で戦死していることを考えると、わずか数ヶ月の徴用で、
しかも無事家に戻って来られたのですから幸運も幸運、
人というもの何が幸いするか分かりません。

一見「凶」と見える事態でも、実はそれは必要にして必然であった出来事だった
ということは多々あります。
それもこれも「運」というやつなのかもしれません。
運が良ければ、あるいは過去に正しく德積みがされていれば、
何が起ころうと大丈夫なのだと痛感します。
因果は時間と空間を超えています。
今をどのように過ごすかが大事。
目先の出来事に一喜一憂せず、心静かに慈しみと智慧で対処できれば
大難は小難に、小難は無難に転じるのだといわれます。
慌てず騒がず、無心に、良い種を蒔くことでしょう。
僕が生れる前の、家に起こった話というのは興味が尽きません。
ありがとうございます。
※写真は昭和39年の冬だと思います。左から祖父、父の従弟、父、母、父に抱かれているのが僕です。


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