ブログ 岡本浩和の「人間力」発見日記

独り言(笑)

昨年の今頃は、仲間と下呂温泉あたりをうろついていたようです。
年月の経過はすこぶる早く、外はまだまだ寒いながら春の気配が感じられます。

この世界、表があれば裏があります。
大義名分を掲げて、言行一致しなければ結局信頼を失ってしまいます。
表はもちろん、むしろ裏をきちんとすること。
それはすなわち心のあり方であり、何をするかではなく
何事もどんな心でさせていただくか、が大切です。

「国木田独歩・人と作品」を斜め読みしました。
佐々城信子との熱烈な恋愛を語る日記など、読み手が恥ずかしくなるようなものですが、
しかし一方で、本人の視点ではなく信子側からの視点で事実を精査していくと、
(わずか5ヶ月ほどで離婚に至ります)
必ずしも独歩の書くことばかりが真実ではなく、
彼の独りよがりではなかったか、ということも見えてきます。

現代でいうならある種ストーカーのようなものかもしれません。
それくらいに人としての独歩には癖があったのです。
(明治の文士などというのはそんなものなのだと思いますが)

しかしながら、その文学には彼の魂の真実が公にされていてとても興味深いのです。

「牛肉と馬鈴薯」の主人公「岡本の手帳」には、次のように記されている。
「カーライル曰く
Awake, poor troubled sleeper:
Shake off the torpid nightmare-dream.
わが切なるこの願とは、眼りより醒めんことなり、夢を振ひをとさんことなり。
この不思議なる、美妙なる、無窮無辺なる宇宙と、此宇宙に於ける此人生とを直視せんことなり。われを此不思議なる宇宙の中に裸体のまゝ見出さんことなり。不思議を知らんことに非ず、不思議を痛感せんことなり。死の秘密を悟らんことに非ず、死の事実を驚異せんことなり。信仰を得んことに非ず、信仰なくんば片時たりとも安んずる能はざる程に此宇宙人生の有のまゝの恐ろしき事実を痛感せんことなり。」

P142

岡本とはすなわち独歩本人のことですが、
(この書は1901年に出版されました)
この人の意識がどれほど高く、生死の解決を求めていたことが理解できます。
そして、独歩は最終的に救われているのです。
ということなどから考えると、真実はたった一つ。
僅か36歳で亡くなった独歩の霊性は利他であり、世界の平和であったのだと僕は想像するのです。

見習わねば(笑)。
いつもありがとうございます。


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