ブログ 岡本浩和の「人間力」発見日記

信じて素直に頼れること

今日は母の82歳の誕生日です。
若い頃に難病を患って、今や四肢は動かず、
辛うじて右手が使えるくらいなのですが、
耳が遠いこと以外、頭はしっかりしていて、
日々うるさいくらい父に命令しつつも元気に過ごしています。

長年老々介護で過ごしてきたものの
父は3年半前の入院以来母を負ぶることはできなくなり、
結果年中ベッドの上で過ごす母も、
そういえば自身の身体については不満なく、
文句をいう訳でもなく、いつも胆が据わった様子でいられるのがこれ幸い。
そんな状態であるにもかかわらず、
どこに何がしまってあって、
家の中がどうなっているのかは完璧に把握しているのだから
つくづく凄いなと思うのです。

先般88歳になった半呆け状態の(笑)父は、母の手足代わりになって
家の中を動き回っています。お蔭様で本当に痴呆になることもなく、
互いにとって互いが必要で、そういう二人三脚の人生は
我が両親ながら素敵だなと思うわけです。

そういえば、映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネがこんなことを言っていました。

監督が、こちらが提案した複数の曲のうちいちばんひどい曲を選ぶということが何回か起こった。そうなると、楽器編成を工夫するなど、よくするためにできる限りのことをしないといけない。そこで、監督にはいい曲だけを聞かせればいいことに気づいたんだ。それで、こういう方法を編み出した。妻を呼んで、候補曲を全部聞かせてみる。すると、彼女なりの意見をくれるんだ。「こっちは取っておきなさい。で、そっちは捨てちゃいなさい。エンニオ、それはあんまりよくないわね」って感じでね。
妻には、音楽の専門知識はないけれど、観客と同じ感性がある。それに、ものすごく厳しいんだよ。これで問題が解決した。以降、監督たちはすでにマリアのお墨付きを得た曲のなかから選ぶようになったんだ。

エンニオ・モリコーネ/アレッサンドロ・デ・ローザ著 石田聖子/岡部源蔵訳 小沼純一解説「あの音を求めて モリコーネ、音楽・映画・人生を語る」(フィルムアート社)P133-134

わが両親の場合は、こんなにかっこいいものではありませんが、
夫婦二人三脚、信じて素直に頼れること、
つまり信頼という中に常にあることができることは
人として最も素晴らしいことだとあらためて思います。

今日もありがとうございます。


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